

テトラリング®とは
テトラリングはでん粉に林原独自の酵素を作用させて作られる、ブドウ糖4分子が環状につながった環状四糖(シクロニゲロシルニゲロース)を主成分とする液状タイプの水溶性食物繊維素材です。環状四糖は日本酒や酒粕のような発酵食品に含まれており、古来より食経験のある成分です。
テトラリングは、ほのかな甘みを持ち、従来の水溶性食物繊維素材に比べて低分子で粘度が低く、食品に利用しやすいという特長を持ちます。低糖質・糖質オフや食物繊維を強化した食品でも、甘味・食感の低下を抑え、健康機能と美味しさの両立を可能とする新世代の食物繊維です。
原材料名表示
食品に使用した場合の原材料名表示の例です。
【原材料名表示例】
食物繊維、水溶性食物繊維、食物繊維(環状四糖)、環状四糖水飴、水飴
性状
無色~淡黄色の粘稠な液体で異味・異臭なし
賞味期限
製造日より12ヶ月
保存条件
直射日光、高温多湿な場所を避け、室温で保存してください。
製品形態

規格(抜粋)
固形分 | 71.0%以上 |
---|---|
pH *1 | 3.5~6.5 |
食物繊維(酵素-HPLC法) | 72.0%以上(固形分当たり) |
総環状四糖量 | 45.0%以上(固形分当たり) |
グルコース | 6.0%以下(固形分当たり) |
栄養成分値(100g当たり)
熱量 | 181kcal |
---|---|
たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0g |
炭水化物(糖質) | 16.9g |
炭水化物(食物繊維) | 56.7g |
食塩相当量 | 0g |
最大無作用量(下痢に対して)
0.88g/kg-体重
原産国
日本
栄養強調表示
食物繊維の栄養強調表示(平成27年内閣府令第十号 食品表示基準)
表示内容 | 表示例 | 食品100gあたり | 食品100mLあたり *1 | 食品100kcalあたり |
---|---|---|---|---|
(絶対的に) 含む旨 |
「食物繊維入り」 「食物繊維使用」など |
3g以上 | 1.5g以上 | 1.5g以上 |
(絶対的に) 高い旨 |
「高食物繊維」 「食物繊維たっぷり」など |
6g以上 | 3g以上 | 3g以上 |
(相対的に) 強化された旨 *2 |
「食物繊維強化」 「食物繊維〇g増量」など |
+3g以上 (比較対象品との差) |
+1.5g以上 (比較対象品との差) |
- |
*2:強化された割合が25%以上であることが必要
特性
甘味度
テトラリングは、ほのかな甘みを持ち、甘味度は砂糖の4分の1です。甘味質は良好で、従来の食物繊維素材に比べて雑味がありません。
甘味度の比較
粘度
テトラリングは、水飴に近い粘度をもつ食物繊維です。
各固形分における粘度

褐変性
テトラリングは、異性化糖に比べ、食品中のアミノ酸・たん白質との反応による褐変(メイラード反応)が少なく、褐変性は水飴と同程度です。
メイラード反応

安定性
酸性の加熱条件下でも安定です。
食物繊維含量の変化(%)
加熱時間(分) | |||
---|---|---|---|
0 | 30 | 60 | |
pH3.0 | 100 | 100 | 100 |
pH5.0 | 100 | 100 | 99 |
pH7.0 | 100 | 100 | 100 |
加熱0分を100として食物繊維残存量を算出した。
応用例
スポンジ
一般的な高分子の水溶性食物繊維ではボリュームが出にくい場合がありますが、 テトラリングは多く配合しても浮きが良くキメも整っています。

一般的な高分子の水溶性食物繊維素材

テトラリング
※固形分として砂糖の40%を各水溶性食物繊維素材に置換してスポンジを焼成し、ボリュームと内層を比較した。
食パン
一般的な高分子の水溶性食物繊維ではグルテン形成が阻害され、ミキシング時間や発酵工程の延長が必要ですが、テトラリングは製パン工程をほとんど変更することなく、パンを調製することができます。

一般的な高分子の水溶性食物繊維素材

テトラリング
※固形分として対粉15%の各水溶性食物繊維素材を配合して、通常の製パンプロセスで調製し、生地の状態とパンのボリュームを比較した。
餡
一般的な高分子の水溶性食物繊維では餡への浸透が悪く離蜜してべたつきますが、テトラリングは離蜜しにくく水飴との置き換えが可能です。

一般的な高分子の水溶性食物繊維素材

テトラリング
※固形分として砂糖の20%を各水溶性食物繊維素材に置換して、Brix57%の並餡を調製し、状態を比較した。
グミ
一般的な高分子の水溶性食物繊維ではゲルセットの阻害が見られる場合がありますが、テトラリングは多く配合しても保形性に問題はありません。

対照(水飴)

一般的な高分子の
水溶性食物繊維素材

テトラリング
※固形分として砂糖45と、各素材55の割合でBrix80%のグミを作り、保形性を比較した。