

ナリンビッド®とは
ナリンビッド®は柑橘由来のポリフェノールの一種である「ナリンジン」に林原の酵素技術を用いてグルコースを付加し、水溶性を向上させた味質改善素材です。飲料における沈殿というナリンジンの課題を解決し、加工適性を大幅に向上させました。切れの良い苦みを持ち、微量の添加で柑橘感やピール感、生絞り感を付与することができます。また、甘味や雑味の低減、塩味の増強などの味質調整機能を持っています。
ナリンビッド®の原料であるナリンジンは摘果した幼果や落下した果実など、本来廃棄処理される農作物からつくられており、これからの時代にマッチしたサステナブルな素材と言えます。
原材料名表示
食品に使用した場合の原材料名表示の例です。
【添加物表示名】
酵素処理ナリンジン、糖転移ナリンジン、ナリンジンまたは苦味料
性状
白~黄褐色の粉末である
賞味期限
製造日より36ヶ月
保存方法
直射日光、高温多湿な場所、過積を避け、室温で保存してください。
製品形態

100g アルミラミネート袋入り
規格(抜粋)
ナリンゲニン配糖体量 | 85.0%以上(乾燥物換算) |
---|---|
乾燥減量 | 6.0%以下 |
栄養成分値(100g当たり)
熱量 | 388kcal |
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たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物(糖質) | 96.1g |
炭水化物(食物繊維) | 0.9g |
食塩相当量 | 0g |
利用例と効果
利用例 | 使用目安[ppm] | 効果 |
---|---|---|
柑橘系果実飲料 | 10-50 | 濃厚感・果汁感の向上 |
炭酸飲料 | 10-50 | 柑橘感・ピール感・生絞り感付与、甘味の後引き改善 |
炭酸水 | 30-100 | 柑橘感・ピール感、スッキリした苦味付与 |
エナジードリンク | 50 | 濃厚感向上、雑味の低減 |
ノンアルコールビール 新ジャンルビール |
10-30 | 苦み・重厚感の付与、苦味の後引き改善 |
酎ハイ | 10-50 | 柑橘感・ピール感・生絞り感付与 |
麦茶 | 10-30 | 焙煎感向上 |
ラーメンスープ | 1-10 | 塩味増強、スパイス感向上 |
チョコレート | 30-50 | ビター感向上、甘味の後引き改善 |
果汁入り飲料の味質改善
10%グレープフルーツ果汁飲料にナリンジンまたはナリンビッド®を30ppm添加して官能評価を行った。
味質
ナリンビッド®の苦味はナリンジンにくらべて約2倍強く、切れが良いのが特長です。
苦味強度の比較
官能評価により、ナリンジン50ppm水溶液に対して同じ苦味となるナリンビッド®の濃度を求め、ナリンジンの苦味を1としたときの相対値を算出した。(n=12)
TI(Time Intensity)法による苦味曲線
苦味強度を合わせたナリンジンおよびナリンビッド®水溶液の苦味強度の経時的な変化を、官能評価手法TI法を用いて測定した。12名で2回評価した平均から苦み曲線を求めた。
基本物性
溶解性
水にもアルコールにも高い溶解性を示します。
水100gに対する溶解量(25℃)
ナリンビッド® | 200g以上 |
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ナリンジン | 0.03g |
ナリンビッド®のエタノール100gに対する溶解量(25℃)
20%エタノール | 200g以上 |
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99.5%エタノール | 1.54g |
水に対する溶解性(25℃)
1% になるようにナリンジンまたはナリンビッド®を水に加え混合した。
水に対する溶解性(5℃)
150ppm、200ppmになるようにナリンジンまたはナリンビッド®を水に加熱溶解後、5℃で10日間保存した。
50%エタノールに対する溶解性(5℃)
3~10%になるようにナリンジンまたはナリンビッド®を50%エタノール溶液に加熱溶解後、5℃で10日間保存した。
各pHにおける安定性
加熱、酸、光に対して安定です。
加熱安定性(121℃ 20分)
100ppmナリンビッド®水溶液を121℃で20分間加熱し、加熱前に対するモノグルコシルナリンジンの残存率を測定した。
保存安定性(55℃)
1.0w/v%ナリンビッド®水溶液を55℃で保存し、保存前に対するモノグルコシルナリンジンの残存率を測定した。
光安定性(25℃)
0.5w/w%ナリンビッド®水溶液を25℃、4,500ルクス(昼光色蛍光灯)連続照射下で保存し、保存前に対するモノグルコシルナリンジンの残存率を測定した。