第6回 全身をめぐる血管こそ、美と健康の要 医学博士 すぎおかクリニック 理事長 杉岡充爾 先生

気にしすぎの食生活は避け、
血管デトックスを心がけましょう

- 血管強化のために、体に良いものだけを選んで食べるのはなかなか大変ですね。

杉岡先生そうですね。毎日の食事からは、体に良いものも悪いものも、様々な成分が入ってきて当たり前です。中には血管の老化につながるような物質が含まれていることもあるでしょう。しかし、それを完全に避けることは難しいですし、気にしてばかりの食事でストレスになる方がよほど体に悪影響を与えます。そんなストレスをためないためにも、食事に神経質になりすぎるのではなく、体に入ってしまった悪いものを外に出す、つまり「血管デトックス」ができる食品や成分を摂取することが大切です。

- 血管デトックスに効果がある食品とはどのようなものでしょうか?

医学博士 すぎおかクリニック 院長 杉岡充爾 先生

杉岡先生前述したファイトケミカルには、デトックス効果の高いものが多くあります。例えばタマネギのケルセチン、リンゴのペクチンなどは体の中の有害金属を排出する働きを持っています。それぞれの野菜によって、含有するファイトケミカルも違いますので、ここでもやはり野菜の色を目安にして、様々な色のものをまんべんなく食べるのが良いでしょう。
デトックスにはミネラルも欠かせません。とくにカルシウム、マグネシウム、セレン、亜鉛は有害金属の排出に役立ちます。

知らず知らずに
ストレスが血管を締めつけている

- ストレスも血管に悪いということですが、ストレスを受けた時、体の中で何が起きているのでしょう?

杉岡先生ストレスによって血管が収縮すると言いましたが、これは自律神経のうちで体を緊張させる交感神経の働きがストレスによって強くなったために起きる現象です。血管が収縮すると血管内皮細胞からNO(一酸化窒素)が放出されて血管を拡張させるのですが、緊張が強すぎるとNO(一酸化窒素)の作用が間に合わず、血管はさらに収縮して最後には詰まってしまいます。ここで怖いのは、血管が収縮しても、少しでも血流があれば本人には自覚症状が出にくいということです。あんなに元気だった人がなぜ?といった突然死には、日常的にストレスによる血管の収縮が起きていても本人は気付かず、ある日突然心筋梗塞を起こしてしまったというケースがよくあります。

- 血管の異常に自分では気付かないのは怖いです。

杉岡先生動脈硬化で血管が狭くなっている場合は健康診断で見つけられますが、ストレスの場合は普段は太くてキレイな血管が詰まるため、診察でも気付きにくいものです。ストレスによる血管の詰まりが原因で起きる発作は、特に朝に多いのですが、これは睡眠中には体をリラックスさせる副交感神経が優位に立っていて、起床時に活動を活発にする交感神経優位に切り替わるためです。ストレスがたまっている人は、眠っている間も副交感神経が優位になれないため眠りが浅く、その状態で朝を迎えて交感神経のスイッチが入ると、急激に緊張が高まり血管が収縮してしまうのです。これを防ぐには眠りの質を高めるための生活の改善が必要です。昼間緊張している人は、就寝の準備つまり交感神経を鎮める時間をとることが肝心です。寝る1時間くらい前までにはぬる目の入浴を済ませ、スマホやパソコンなどを使わないようにするなどを心がけたいものです。

- 血管を意識した生活を送る重要性に気づかされましたが、それを継続していくコツはありませんか?

医学博士 すぎおかクリニック 理事長 杉岡充爾 先生

杉岡先生健康であること自体を目的にするとなかなか続けられないものです。自分がどうなりたいかを考えるといいかもしれません。例えば、仕事をバリバリやって、人生を充実させたいとか、いつまでもキレイでいたい、でもいいです。その実現には健康でなくてはいけない。そして健康を支えるのが血管だからこそ、それを強化する生活が重要だという風にとらえれば、食生活の改善などを習慣に落とし込みやすいのではないでしょうか。

- 人生を充実させるために血管強化の習慣を、ということですね。
本日は貴重なお話をありがとうございました。

すぎおかクリニック 理事長
杉岡充爾じゅうじ 先生

略歴

1991年 千葉大学医学部卒業、千葉大学医学部附属病院 第三内科医局勤務
1992年 国保小見川病院 第三内科勤務
1993年 国保成東病院 第三内科勤務
1994年 船橋市立医療センター 循環器内科勤務
1996年 財団法人倉敷中央病院 循環器内科勤務
2000年 医学博士号取得
1997年~2014年 船橋市立医療センター 循環器内科勤務
心血管センター副部長
2014年 すぎおかクリニック 開設
2017年 医療法人社団鳳翔会 理事長

所属学会

  • 日本内科学会認定医、循環器病学会専門医、日本抗加齢学会、日本医師会健康スポーツ医

主な著書

  • 強い血管をつくれば健康になる(k.kベストセラーズ)
  • 1日10分!強い血管をつくる5つの習慣(同文舘出版)
  • 最高の疲労回復法(大和書房)